国内企業にBANTは不要!?
日本流BtoBマーケティングの考え方

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こんにちは!執行役員の河村です。久々の投稿ですが、宜しくお願いします。

今回の記事では、先日の弊社主催セミナーの講演でも触れさせていただいた「BANT」についてお話ししていきたいと思います。

急速に広がった「BANT」

さて、皆さんは「BANT」という概念をご存知でしょうか。

下図で簡単に説明しています。

BANTとは

このBANTという概念ですが、私の体感では、8年ほど前から外資系企業の国内支社を起点に徐々に広がり、SFDCの普及やBtoBマーケティングトレンドの高まりに合わせて、国内企業でも急速にキーワードとして聞かれるようになっています。

テレマーケティングやインサイドセールスなどのダイレクトマーケティングを中心に、フィールドセールスへ案件を引き渡す基準として取り入れられているケースも増えてきており、今後ますます普及していきそうな考え方です。

ただ、少し待ってください。
御社の営業ーマーケティング分業において、本当にBANTの概念は必要でしょうか?

「BANT」でどんな基準を作る?

BANTを使って営業へ案件を引き渡す基準を設計しようとした場合、皆さんはどのような基準を設けるでしょうか。

マーケティングを本格的に取り入れようとすればするほど、おそらく、「営業とマーケティングの担当領域の境目を明確に設計しよう」という発想になるはずです。

明確な境目を作ろうとした場合、BANTの中でもTime Frame=導入時期と、企業によってはBudget=予算が重視されることが多いかと思います。

すなわち、『来年度以内の導入検討で、かつ予算が確保されている状態であれば営業が担当する』といったような基準です。

確かに、このような基準を設けることで、営業とマーケティング、それぞれが対応すべき顧客は明確になるでしょう。

しかし、導入時期や予算が決まっている顧客「だけ」を営業に引き渡すことは、本当に理想的な状態と言えるのでしょうか?

営業リソースとコア業務をしっかり考えて分業化を図ること

導入時期が明確で、予算が確保されている状態の顧客。

果たして、この条件に合致する顧客がどれだけ存在するでしょうか?

ここまで明確な基準を設定してしまうと、いかにマーケティングプロセスを綿密に設計したとしても、営業へ渡る案件の数は大幅に絞られてしまいます。

もし仮に営業リソースをそのままに、商談化率を重視するあまり営業にトスする案件をBANTによって絞った場合、何が起こるか。
営業リソースはすぐに余剰になり、営業責任者からBANT要件の変更がすぐに求められてしまうでしょう。

現在の営業組織を大幅に変えないのであれば、まず営業が担うべきコア業務は何かを考えなくてはなりません。営業活動において商談率や受注率に最も影響を与えるコア業務は、ほとんどの場合、訪問における顧客理解とヒアリング、そして顧客に合わせた提案書の作成やプレゼンテーションとなるはずです。

そして、これは萩原の投稿でも語っているところですが、売れる営業マンほど、コア業務に注力できるよう自らの業務時間をコントロールしています。

課題を持っていて話を聞く姿勢を持った顧客さえ渡されれば、あとは自分でうまくやれるような優秀な営業マンからすると、導入時期や予算によって下手にマーケティング側でリードを絞られてしまっては、逆に成果が上がりづらくなってしまうかもしれません。

以上のようなことも考慮しつつ、マーケティングで担当して効率化すべき領域、営業が各人のスキルで柔軟に対応すべき領域の切り分けをしてみるのがよいでしょう。

営業の勝ちパターンをデザインすること

マーケティングに関連する書籍を読むと、「マーケティングは営業の上位に立つべき」という結論が散見しています。

確かに、それがマーケティング部門の「あるべき姿」ですし、1年以上前ではありますが、私も同様のことをこちらの記事で書いています。

しかしながら、それは営業とマーケの「分業」を前提とした組織構築が出来てこその話です。営業も含め、組織レベルの変革を行いづらい国内企業においては、マーケティング先進国である米国発祥の考え方=BANTを用いて極端な営業-マーケティング分業を進めるのには、そもそも無理があります。

今までの営業のスキルやノウハウを活かすのであれば、営業のコア業務はそのままに、それを補完/サポートする形でマーケティング活動を設計する方が、成果も出しやすく、何事も無理なくスムーズに進むのではないでしょうか。

もちろん、最終的にはマーケが営業の上位概念となるのが理想的なのですが、その前にまずは営業とマーケティングのフラットな関係性の構築から始めてみてください。

理想の組織

マーケティング組織構築で何かお困りの場合は、弊社でもお役に立てるかもしれません。ぜひお気軽にご相談ください。

さいごに マーケティングの役割とは

マーケティングの役割は、営業がワクワクするような状態でリードを渡せるように、顧客の課題を顕在化させること、そして顧客の営業訪問に対する期待値を上手く調整し引き渡すこと。

その結果営業のモチベーションまで上げることができれば、マーケティング部門の非常に大きな貢献となるはずです。

今一度自社内営業が求める本当のニーズを見つめ、営業とマーケティングの分業化を進めていきましょう。

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